手遊び「こぶじいさん」の歌詞と振り付け完全ガイド!昔話との関係も解説
保育園や幼稚園、家庭で長年親しまれ続けている手遊び歌『とんとんとんとんひげじいさん』。その中でも子どもたちが思わず笑顔になるのが、ほっぺを膨らませて表現する「こぶじいさん」のパートです。誰もが一度は口ずさんだ経験がある定番の手遊びですが、正しい手の形や歌詞の順番、さらには日本の伝統的な昔話『こぶとりじいさん(瘤取り爺)』との意外なルーツについて、正確に把握している方は意外と少ないのではないでしょうか。
乳幼児期における手遊び歌は、単なるスキンシップにとどまらず、指先の微細運動や空間認識能力、リズム感を育む重要な知育ツールとして保育・幼児教育の現場で再評価されています。本稿では、手遊び「こぶじいさん」の正確な手順や歌詞、アレンジ技法から、昔話の教訓が持つ教育的価値までを徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「こぶじいさん」は『とんとんとんとんひげじいさん』の第2節に登場し、両頬にグーを当てるコミカルな動きが特徴。
- 要点2:日本の説話集『宇治拾遺物語』に由来する昔話「こぶとりじいさん」がモチーフであり、身体模倣と物語性が融合した傑作手遊び。
- 要点3:0〜1歳の乳児から幼児期まで発達段階に応じたアレンジが可能で、発達心理学の観点からも手指の巧緻性を高める高い教育効果がある。
【基本構成】『とんとんとんとんひげじいさん』の正しい歌詞と手の動き
手遊び『とんとんとんとんひげじいさん』(作詞:玉山英光、作曲:不詳/アメリカ民謡原曲説など諸説あり)は、リズミカルな手拍子とともに様々なキャラクターに変身していく構成が魅力です。まずは基本となる歌詞の流れと、正確な動作手順を確認しておきましょう。
基本的な歌詞の構成は以下の通りです。
- 1番(ひげじいさん):「とんとんとんとん ひげじいさん」
- 2番(こぶじいさん):「とんとんとんとん こぶじいさん」
- 3番(てんぐさん):「とんとんとんとん てんぐさん」
- 4番(めがねさん):「とんとんとんとん めがねさん」
- エンディング:「とんとんとんとん 手はおひざ(またはキラキラキラキラ 手はおひざ)」
歌の基本動作は、両手を軽く握ったグーの状態で、胸の前で上下にトントンと2回ずつ交互に叩き合わせるリズム運動からスタートします。「こぶじいさん」のフレーズに入ったら、両手を軽く握ったまま左右の頬(ほっぺ)にポンと当て、口の中に空気を入れてプクッと膨らませるのがポイントです。子どもたちが見た瞬間に「おもしろい!」と感じる視覚的ユーモアを取り入れることで、模倣行動を引き出しやすくなります。

【比較表】キャラクター別の手の形・振り付けと発達的アプローチ
手遊びの中で登場するキャラクターは、それぞれ異なる手指の使い方や顔の部位へのタッチを要求します。保育現場における指導データや身体表現の観点から、各動作の特徴をまとめました。
| 登場キャラクター | 手の形・配置位置 | 身体・知育へのアプローチ | 指導・実践のコツ |
|---|---|---|---|
| ひげじいさん | 両手グーを顎(あご)の下につける | 顎の位置の空間認知、基本的なリズム同期 | サンタクロースや長い髭を意識して大きく揺らす |
| こぶじいさん | 両手グーを左右の頬に当てて膨らませる | 表情筋の連動、左右対称(バイラテラル)の身体意識 | 「ぽんっ!」と音をイメージさせ、頬を大げさに膨らませる |
| てんぐさん | 片手グーを鼻、もう一方のグーをその先に重ねる | 前後方向の奥行き認知、両手の協調運動 | 鼻が高く伸びるイメージを伝え、背筋を伸ばす意識を持たせる |
| めがねさん | 親指と人差し指で輪を作り両目の前に当てる | 微細運動(ピンチ動作)、視覚誘導と集中力の向上 | 指の隙間からのぞき込む仕草でアイコンタクトを取る |
| 手はおひざ | 両手をパーにして太ももの上に静かに置く | 動から静への感情コントロール(自己抑制機能) | 絵本の読み聞かせや集団活動の導入としてトーンを落とす |
昔話『こぶとりじいさん』のあらすじと手遊びに込められた歴史的背景
「こぶじいさん」というキャラクターの起源は、日本の著名な民話『こぶとりじいさん(瘤取り爺)』にあります。この説話は、鎌倉時代初期に編纂された『宇治拾遺物語』の「鬼に瘤取らるる事」を原典としており、室町時代のお伽草子や江戸時代の赤本を通じて庶民に広く浸透しました。
昔話のあらすじを振り返ると、右の頬に大きな瘤(こぶ)を持った善良なおじいさんが、山で雨宿りをしている最中に鬼の酒盛りに遭遇します。恐怖を乗り越えて陽気に踊りを披露したところ、鬼たちに大絶賛され、「また明日も踊りに来い。逃げないよう証拠として大事な瘤を預かっておく」と瘤を綺麗に取ってもらいます。これを聞きつけた左の頬に瘤のある隣の欲張りなおじいさんが、財宝目当てに鬼の前で下手な踊りを踊った結果、怒った鬼から「昨日の瘤も返してやる」と両頬に瘤をくっつけられてしまうという教訓話です。
この昔話が手遊び歌に採用された背景には、子どもたちにとって「鬼」「天狗」といった昔話の登場人物が身近で親しみやすかった時代背景があります。頬にこぶを作るコミカルな動きは、単なる形態模倣にとどまらず、物語のユーモラスな結末を身体全体で追体験させる知恵が詰まっています。

【実態検証】保育士・保護者のリアルな工夫とアレンジテクニック
保育現場や家庭内での実践現場を観察すると、子どもたちを飽きさせず集中力を惹きつけるための多様なアレンジが導入されています。現場で高い支持を集めている人気のアレンジパターンは以下の通りです。
1. テンポチェンジ(早口バージョン&スローモーション)
通常のテンポで歌った後、「次は新幹線スピードでいくよ!」「次はカメさんスピードだよ」とテンポを極端に変える手法です。速いテンポでは反射的な指の動きが鍛えられ、遅いテンポではバランス感覚と集中力が養われます。思わず吹き出してしまう子どもが多く、集団の空気を一気に温めるアイスブレイクとして多用されます。
2. 人気キャラクターへの差し替えアレンジ
定番の登場人物を子どもの大好きなキャラクターに変更するアレンジです。
- アンパンマン版:「アンパンマン(頬にグー)」「しょくぱんまん(輪郭を両手で囲む)」「カレーパンマン(両頬を引っ張る)」「バイキンマン(頭の上に角を作る)」
- ドラえもん版:「ドラえもん(丸い手)」「のび太くん(めがね)」「スネ夫(口をとがらせる)」「ジャイアン(力こぶを作る)」
3. オチのバリエーション(手はお空・手は頭)
最後の「手はおひざ」を「手はお空にピュ〜ン!」「手は頭にポン!」などと変化させ、その後の活動(お散歩へ行く、お昼寝に入る、体操を始めるなど)へスムーズにトランジション(移行)させる技術も現場で重宝されています。
【プロの結論】発達段階に応じた導入の判断基準と教育的アプローチ
発達心理学および幼児教育の観点から、手遊び『こぶじいさん』を最も効果的に活用するための年齢別判断基準を提示します。
乳児期(0歳〜1歳半)へのアプローチ:受動的なリズム体験
まだ自分自身で複雑な指の形を作ることが難しい月齢です。この時期は、大人が歌いながら赤ちゃんの頬をやさしくツンツンと触ったり、赤ちゃんの小さな手を包み込んで「トントン」と動かしてあげる受動的なスキンシップが最適です。触覚と聴覚の刺激が心地よい安心感を生み、愛着形成(アタッチメント)を深めます。
幼児期前期(2歳〜3歳)へのアプローチ:ミラーニューロンの活性化と模倣
他者の動きを真似る「模倣能力」が爆発的に発達する時期です。大人が大げさに表情を作りながら「こぶじいさん」で頬を膨らませて見せると、子どもは脳内のミラーニューロンを活発に働かせて真似をしようとします。上手に形ができなくても決して修正を強要せず、「上手にプクッてできたね!」と共感し意欲を認める関わりが重要です。
幼児期後期(4歳〜5歳)へのアプローチ:創作性と自己表現の獲得
基本的な動きが完全に定着しているため、子どもたち自身に「次はどんなおじいさんにしてみる?」「宇宙人じいさんならどんな形かな?」と問いかけ、独自の振り付けを創作させることが効果的です。主体的な表現力や発信力を育てるクリエイティブなアクティビティへと昇華させることができます。

【こぶ じいさん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:手遊び「こぶじいさん」で、こぶは片方だけにつけるのが正しいのですか?両方ですか?
A1:一般的には両手でグーを作り、左右両方の頬に当てて「両頬のこぶ」として遊ぶのが標準的です。ただし、昔話『こぶとりじいさん』の物語に合わせて「最初は右のほっぺにポン、次は左のほっぺにポン」と片方ずつ当てるアレンジを行っている園や地域もあります。どちらも間違いではなく、楽しさを優先して問題ありません。
Q2:子どもが手遊びに興味を示さず、真似をしてくれない時はどうすればよいですか?
A2:無理に手を動かさせようとせず、大人が楽しそうに全力で変顔をしながら歌う姿を見せるのが一番の近道です。特に「こぶじいさん」の頬を膨らませる動きや、最後の「手はおひざ」でピタッと止まる静止の動きにメリハリをつけると、子どもが興味を持って自然に視線を向けてくれるようになります。
Q3:『とんとんとんとんひげじいさん』の作詞者や原曲は誰ですか?著作権はありますか?
A3:一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)などの登録情報によると、作詞者は玉山英光氏とされています。原曲は古くから伝わるアメリカのフォークソングや伝統曲がベースとされており、現在は教育現場や家庭で幅広く親しまれるパブリックな童謡・手遊び歌として定着しています。
まとめ:日常のコミュニケーションを豊かにする伝統手遊びの魅力
手遊び「こぶじいさん」を含む『とんとんとんとんひげじいさん』は、道具を一切使わず、場所も選ばずに大人と子どもの心を瞬時につなぐことができる極めて優れたコミュニケーションツールです。単なる遊びにとどまらず、昔話の豊かな世界観への入り口となり、子どもの身体感覚や表現力を育む確かな教育的意義を持っています。
日常のちょっとした隙間時間や、子どもがグズってしまった場面、活動の切り替えのタイミングなどに、ぜひ豊かな表情とリズムに乗せて「こぶじいさん」の手遊びを楽しんでみてください。 (出典: こぶ じいさん(Yahoo!ニュース))